大阪都構想の推進を止めたのは、橋下市長本人だ!
「ひとりの人間の評価と価値は、心と意志のなかにある。そこに人間の本当の栄誉が宿るのだ」
フランスの思想家、モンテーニュの言葉です。
人間の栄光は、名声や人気、肩書きなどという、「虚飾の栄誉」の中には断じてありません。
「心と意志」という、「わが胸中」にこそあります。
衆院解散・総選挙を、「公明党にやられたまま、人生を終わらせることはできない」などといって、公明党への恨みを果たすために選挙に挑もうとする橋下大阪市長。
氏に、立派な「心と意志」など、かけらもみつけることはできません。
たとえそれが市政を投げ出すことになったとしても、
「仕方ない。公明党にやられたまま、人生を終わらせることはできない」
「人生、いつ終わるか分からない。やれるときにやらないと」
と、堂々と語る橋下氏は、結局出馬はとりやめたとはいえ、果たして政治家と言えるのでしょうか?
氏がこれほどまでに公明党に怨念を燃やすのは、「大阪都構想で、公明党が裏切った」からだというのですが、さて、どうでしょう。
今回は、橋下氏のいう「公明党の裏切り」の中身を、見てみたいと思います。
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<公明党は大阪都構想に反対していない>
「大阪都構想の裏切り」といいますが、そもそも公明党は、大阪都構想に反対しているのでしょうか。
実は、反対などしていません!
公明党は、「大阪の活性化に向けた」一つの案として、大阪都構想の議論を進めてきました。
食い違ったのは「議論の中身」なのです。
橋下氏は、公明党と議論がかみ合わないとみるや、議論を投げ出し、3月に自分のわがままで出直し市長選を行いました。
自分の構想に自信があるのなら、正々堂々と「内容」で争うべきです。
なのに、議論を避け、府政をつぶしてしまうのですから、およそまともな神経を持っているとは思えません。
橋下氏のエゴで、多大な税金を使って選挙が行われました・・・・
<大阪都構想の推進を止めたのは、橋下氏自身>
大人である公明党は、橋下氏を落選させるために他候補をおすのではなく、自主投票で出直し選挙を見届けました。
それでも恨みが消えない橋下氏は、当選後、他党を排除し、維新のみで議論を進めるという愚行に出ています。
「自分の言うことに従順な人しかいらない!」
器の小さい橋下氏は、イエスマンの意見しかきかず、公明党が議論の再開を求めても拒否。
結果的に大阪都構想の推進を止めたのは、議論を拒否した橋下氏自身なのです!
橋下氏は、「大阪都構想を実現したい」のではありません。
「自分が言うとおりに、世の中を動かしたい」だけなのです。
悲しいかな、こんな傲慢・勝手気ままな人間を、国民は大阪市長にしてしまいました・・・・
<大阪都構想に関して、公明党の動き>
2012年の衆院選前に、大阪都構想実現のために必要な法律が、国会で成立しました。
その時維新と公明が一致したのは「この法案成立を受けて、具体的に都構想の内容を議論していく」ということです。
公明党は、都構想が「本当に大阪市民にとって、プラスになる」ことを、最大の目的としており、活発な「内容の議論」を、望んでいます。
なのに、都構想の具体的な中身が決まらないまま、「都構想の住民投票」など、賛同する約束ができるはずがありません。
これは、たとえ選挙協力があったとしても、納得のいく内容の議論は、大阪市民のために、あやふやであっていいけないことは、普通の判断力があればわかるでしょう。
それを「公明党が裏切った!」などと騒ぎたて、未だ粘着質に怨念を燃やし続ける橋下氏。
なんと、なさけない人間か・・・・・
<橋下氏の都構想の設計図は、あまりにも不出来>
さて、大事な議論を避ける橋下氏の、都構想の設計図とは、どんなものでしょう。
橋下氏は、驚くことに、
「都構想の設計図を皆さんに説明する必要はない」
「家を買うときに、設計図を見せて下さいなんて言わないでしょ」
などといって、なかなか自分の設計図を見せようとしません。
それもそのはず、中身はかなりずさんで、かなりデタラメなものなのです!
まず、都構想による府市再編による効果学は、毎年4000億円と見込んでいたにもかかわらず、実は1億円しかないことが明らかになっています。
いったい、これほど大きな見込み違いは、どんなバカがすれば出てくるのか。
松井知事は公明党の代表質問で、「4000億円の数字に根拠がない」ことを、認めています。
おまけに、平成29年度からの5年間で、最大で1071億円の赤字になることが判明したというのですから、開いた口がふさがりません。
さらに、維新の会が提唱する大阪都構想では、大阪市の事務を大阪府と特別区に分ける際、どちらにも分類されない100以上もある事務事業を行うのに、巨大な「一部事務組合」を設立することになります。
これでは、二重行政の解消どころか、新たな組合設立で三重行政となり、非効率このうえなく、結果ムダが増大し、行政の機能が低下してしまうでしょう。
また、維新の会が提唱するように、大阪市を特別区にすれば、まちづくりにおける「住宅地・商業地」等を決める権限がなくなってしまうことになります。
そして税収などの財源は、現代のたった4分の1となるのです。
これでは新たな市民サービスは到底望めず、良くなるどころか、現状維持もままならず、福祉や教育など市民サービスの低下は必至です。
こんな問題だらけ、抜け穴だらけの恥ずかしい設計図・・・・
橋下氏が、国民に見せることを拒むのはうなずけます。
これでは公明党が反対せざるをえないのは当然ですね。
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まともな都構想の設計図を書く能力がなく、人の意見を聞こうとする度量もない。
それが橋下氏です。
おまけに自分のデタラメさを指摘されれば、いつまでも怨念を燃やし続ける粘着質で、恨みをはらすためには市政も投げ出そうとする無責任までかねそろえています。
こんな、人として最低な人間に成り下がったのは、「民衆のため、庶民のために働く」という、政治家として最も大切な理念を持ち合わせていないからではないでしょうか。
自分のちっぽけな沽券や、愚かな意地ばかり。
このような市長が采配をふるう大阪の未来を思うと、暗い気持ちにならざるを得ません・・・・・
子どもや孫達に、少しでもまともな社会を残してやりたいと思うのは、親としては当たり前ではないでしょうか。
どうか、このような政治家の、思う通りに行かない世の中であってほしいと、願うばかりです。