DESTRUCTION(デストラクション)/CRACKED BRAIN(1990)国内盤
ドイツのスラッシュ・メタル・バンド、DESTRUCTION(デストラクション)の、4作目、1990年リリース。
フロントマンであったベース&ヴォーカルのシュミーヤが脱退し、紆余曲折を経て制作された作品。
ライナーによると、シュミーヤ脱退の原因は、より複雑化を目指すバンドと、原点回帰を目指すシュミーヤとの、意見の相違だとか。
しかしハリーは、シュミーヤが「レコーディング中に出て行ってしまった」と行っているのに対して、シュミーヤは「バンドを追い出された」と語っており、どちらが真実なのかはわからない。
ともあれ、後任ベーシストにクリスチャン・エングラー、ヴォーカルにはPOLTERGEISTのアンドレ・グリーダーをヘルプに迎えて、なんとか発表にこぎつけた本作。
やはり前作までのカラーからは、印象が大きく違っている。
確かに、複雑化を目指した音楽性が表れ、ツイン・ギターのハモリが冴えるリフに、テクニカルなソロは、かなり凝った、複雑なものになっている。
しかし、今までのような、強烈な個性があまり感じられず、インパクトとしては、弱まってしまったのではないだろうか。
簡単に言ってしまえば、良い曲だが、小さくまとまってしまったという感じか。
しかし、演奏技術の向上は著しく、クオリティも格段に良くなったのもあって、「DESTRUCTIONの作品」という意識をしなければ、なかなかかっこいいスラッシュ・メタルだ。
個人的には、かなりお気に入りで、よく聴いた。
賛否両論はあるだろうが、アンドレのヴォーカルも好きで、サウンドにもマッチしているように思う。
POLTERGEISTでの歌い方とスタイルと違い、ややヒステリックに歌っているのは、シュミーヤを意識しているのだろうか。
強烈なインパクトこそないが、完成度の高い、良質なスラッシュ・メタルの作品。
Mike Sifringer - Guitar, bass
Harry Wilkens - Guitar, bass
Oliver Kaiser - Drums
André Grieder - Vocals
【収録曲】
1. "Cracked Brain" 3:36
2. "Frustrated" 3:32
3. "S.E.D." 3:31
4. "Time Must End" 5:56
5. "My Sharona" 3:09
6. "Rippin' You off Blind" 5:28
7. "Die a Day Before You're Born" 4:20
8. "No Need to Justify" 4:48
9. "When Your Mind Was Free" 4:38
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