THE ALAN PARSONS PROJECT(アラン・パーソンズ・プロジェクト) SFを音楽で表現
THE ALAN PARSONS PROJECT(アラン・パーソンズ・プロジェクト)/I ROBOT(1977)日本盤
ビートルズの「アビイ・ロード」やピンク・フロイドの「狂気」のエンジニアとして活躍した経歴をもつ、アラン・パーソンズ(key, g)が、エリック・ウルフソン(vo,key)の提案によって1975年に結成された共同プロジェクト、THE ALAN PARSONS PROJECT(アラン・パーソンズ・プロジェクト)。
作家「エドガー・アラン・ポーを題材にした作品を作る」ことを目的として制作されたコンセプト・アルバム「Tales of Mystery and Imagination - Edgar Allan Poe(怪奇と幻想の物語〜エドガー・アラン・ポーの世界)」に続くセカンド・アルバムが「I ROBOT(私はロボット)」で、1977年のリリース。
今度はSF作家アイザック・アシモフの同名の短編小説からインスパイアされ、SFをテーマにした作品となっている。
プログレと称されることが多いので購入したが、聴いてがっかり、とことんキャッチーなサウンドは、ただのポップスにしか感じず「こんなのプログレではない!」と、数回聴いて、CDラックの片隅においやったままでいた。
しかし最近聴き直してみると、これが結構いい!
とにかくメロディーが美しいのだ。
私の苦手な無機質な電子音もあるが、アコースティックな温かみも多分にあり、特にバラードは秀逸の作。
プログレという枠にこだわらずに聴けば、十分に楽しめる作品だった。
とはいえ、シンセサイザーやオーケストラを積極的に取り入れ、テーマにそった雄大なサウンドを作り上げているところは、やはりプログレのエッセンスがあるのかもしれない。
オーケストラが心地よい「Some Other Time」などは、バークレイ・ジェームズ・ハーヴェストに通じるところもあり、メロディーの美しさは絶品だ。
ともあれ曲が良ければ、本来はジャンル分けなどどうでも良いのだが、ジャンルに対する期待感が、聴き手の感覚を変えてしまうのも、事実だろう。
この作品は、私にとって「プログレではない」として楽しめるものだった。
【収録曲】
1. I Robot
2. I Wouldn t Want To Be Like You
3. Some Other Time
4. Breakdown
5. Don't Let It Show
6. The Voice
7. Nucleus
8. Day After Day (The Show Must Go On)
9. Total Eclipse
10. Genesis Ch1 v32