ヤクオフの落札システム利用料が、値上げに!
先日(2015年2月16日午前0時以降に終了したオークションより)、オークションの落札システム利用料が値上げされました。
今までは、「落札価格の5.40%」が落札システム利用料だったのが、999円以下の落札価格に対して54円の最低利用料を設定するというものです。
つまり、100円で落札された場合、今までなら5円の利用料が、54円となってしまうのです!
仮に1円で落札された場合、出品者は53円のマイナスとなり、安い価格でコツコツ出品している人にとっては、大ダメージとなります。
この999円以下の「最低利用料」は、一部例外を設けており、それが、
1. 送料無料で出品して(送料負担を出品者に設定)落札された場合
2. 以下のカテゴリに出品して落札された場合
・本、雑誌
・コミック、アニメグッズ
・おもちゃ、ゲーム > ゲーム
・おもちゃ、ゲーム > 食玩、おまけ
・アンティーク、コレクション > トレーディングカード
・アンティーク、コレクション > 切手、官製はがき
・音楽 > CD
・ファッション > キッズ、ベビーファッション
・ホビー、カルチャー > ハンドクラフト、手工芸
と、なっています。
2.は、落札額の多くが999円以下になるため、出品者の負担を考えて配慮したそうで、納得できます。
一方、1を見ると、なぜヤフーがこのような利用料改定をしたのかが、想像できそうです。
そう、たまにみかける、1円でオークションを出品し、「送料は一律1000円」などとうたっているアレです。
それは、たとえ1円で落札されても出品者には、落札額1円+送料1000円で、合計1001円入金されることになります。
仮に出品物を300円で仕入れて、運送会社との契約で、全国一律300円で発送できる業者なら、600円の元手で、401円の儲けにるのです。
そのうえ1円での落札なので、支払う手数料はタダ同然。
業者の落札システム利用料逃れの、一つの方法です。
ヤフーはこれが気に入らないのでしょう!
999円以下は、固定手数料54円にし、送料込みのオークションは5.4%のままにするという魂胆が、こういったところに見えてくるのではないでしょうか。
私は、いかにもヤフーのやりそうな「手数料逃れ対策」と思えてなりません。
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この「落札システム利用料の改定」のお知らせがあったのは、昨年のクリスマス、12月25日です。
一部を紹介すると
本日は、「落札システム利用料」ならびに「ご利用にあたっての注意」改定についてご案内申し上げます。
ご承知のとおり、弊社では2013年10月に「eコマース革命」として、ヤフオク!における出品システム利用料の無料化を実施し、おかげさまで出品数が約1.4倍に至るまで成長いたしております。まことにありがとうございます。
同時に、今後も引き続きさらなる成長を続け、皆様に快適にサービスをご利用いただくためには、より一層のシステム増強が必要な状況でございます。
そこでこの度、さらなるシステム増強を鋭意進めるため、落札システム利用料を改定させていただくことといたしました。
と、あり、
出品者に発生する落札システム利用料につき、999円以下の落札価格に対して54円(税込)の最低利用料を設定させていただきます。
と、値上げを宣言しているのです。
面白いのは、わざわざ「出品システムを無料」にしたことを、いまだに恩着せがましく誇っていることです。
確かにそのお知らせがあったとき、「出品無料とは、思い切ったな~」と、私は思いました。
利用者から、どれだけお金を吸い取るかばかり考えているのがヤフーなので、まさに「清水の舞台から飛び降りる」思いで、出品無料に踏み切ったのではないでしょうか。
その証拠に、お知らせには「オークションに革命が起こる!」などと、笑っちゃうくらいおおげさなキャッチコピーが踊っていました。
まあ、ヤフーが身銭を切ろうというのですから、よほど「大きな革命」なのでしょう。
しかしビッターズをはじめ、他社のオークションでは出品無料は当たり前で、多くのユーザーは「ヤフーもやっとか」と、冷めた目で見ていたのではないでしょうか。
なのに一年以上たった今も、「出品無料」を繰り返すとは、あまりにしつこい。
そして
「おかげさまで出品数が約1.4倍に至るまで成長いたしております。まことにありがとうございます」
と続くのですから、当然次は
「成長の御礼を形にしたく、落札手数料も値下げさせて頂きます!」
と、なるのが普通ではないでしょうか。
なのに、
「そこでこの度、さらなるシステム増強を鋭意進めるため、落札システム利用料を改定させていただくことといたしました。」
として、値上げするとは、いったいどういうことでしょうか?
御礼を述べた舌の根の乾かないうちに、さらなる負担を強いるヤフーは、およそ誠意のある企業とは思えません。
そんな理不尽なお知らせを12月25日にするなど、ヤフーは利用者にとんだクリスマス・プレゼントをくれたものです。
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本当のところは、清水の舞台から飛び降りる思いで行った「出品無料化」により、ヤフーに入る収益が、大幅に減ったのではないでしょうか。
「革命」とまでうたった以上、いまさら出品システム使用料徴収を再開することはできません。
そこで1円落札オークション対策も含め、今回の改定になったのではと感じます。
それにしても、100円、200円と、低額なオークションをコツコツしている人にとっては、あまりにも厳しい。
生活で不要になった物を、低額でたくさん出品している人の多くは、手間暇を思えば、オークションは割にあわないものです。
出品物はいさぎよく捨てて、コンビニでバイトする方が、よほど家もすっきりし、お金にもなります。
それでも、一度手にした物ゆえ、簡単に捨てるのにはしのびなかったり、本当に欲しいと思う方に譲りたいと思うから、手間暇をかけてでもオークションに出品するのです。
ただでさえ損得抜きで、益少ないのに、それに追い打ちをかけるような、落札システム利用料の値上げは、あんまりです。
まさに今回の改定は、そういう商売抜きの、善良な出品者に、大きな負担を与えてしまう、改悪なのです。
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今の世の中のサガなのでしょうか。割に合わない目にあうのは、いつも底辺で地道に奮闘する、真面目な庶民です。
「家で不要になったものを、損得を抜きしてオークションに出品して楽しむ」
という善良な出品者は、ネットオークションを運営する側としては、本当は一番大切にしなければならない利用者なのではないでしょうか。
ヤフーには、そういう利用者を大切にしていこうとする思いなど、カケラも感じることはできません。
当然企業である以上、利益を求めるのは当然かもしれませんが、弱い者いじめのようなことをせず、もっと他にやり方があるのではないでしょうか。
ヤフーには、大企業としての風格や貫禄など、まったく感じられません。
私としては、もっと高額出品で、バンバン利益を上げている業者向けに、利用料を上げて欲しいと思います!